商品やサービスの価値は、口に出して伝えなければ、伝わらない!
「言わなくてもわかってもらえる」、「以心伝心」、「言わぬが花」などといった、故事やことわざがあるように、日本人の気質として、自分のセールスポイントや売りを口に出して言わないことがよく見られます。
ホームページやパンフレットでは、きちんと紹介していても、いざ口に出しては説明していないケースもあります。
商品やサービスへのこだわりが、差別化であり、セールスポイントであるならば、お客さんに伝わらなければ、ないことと同じです。
もし伝わっていないまま、買わないと判断されたら、売り手にとっても買い手にとっても、お互いに残念なことでしょう。
口に出して伝えなければ、伝わらないと思っていた方がいいと思います。
私の友人が経営するバーは、西麻布の昭和初期に建てられた一軒家をそのまま改築してお店にしました。木の温もりとどこか懐かしさを感じさせる趣のあるお店です。
このバーは、築80年以上で、関東大震災から逃れ、戦争からも逃れた、貴重な家屋だと言うことは、口に出して説明しなければ、誰もわかりません。
説明を受けると、ほとんどの人が驚き感動します。そして、誰かに伝えたくなり、友達を連れて来てくれます。
こうして、顧客が顧客を生んでいくのです。
以前、伊豆の下田の旅館に仕事で伺ったとき、女将さんが手作りの生ジュースを出してくれました。何の果実かは忘れてしまったのですが、とても美味しくいただきました。この時、この女将さんのこだわりをもって聞かせてくれたなら、私は何の果実だったか、なぜ女将さんが自分で手作りのジュースをお客さんにふるまっているのかという、女将さんのこだわりを今でも記憶していたことでしょう。残念ながら、今、この旅館の経営は、ほかの会社に移ってしまいました。たぶん、今では生ジュースのふるまいは、なくなっていると思います。 |