顧客の心をつかむ神業コピーは、「心からわき出す」コピー術を身につけよう。
★販促POPを書き続けたメガネ店の店主が、神業コピーをマスターする
あるメガネ店では、店頭に展示してあるメガネフレームに、一言POPを付けて販売しています。その一言POPとは、
「人生が変わるかも」
「高いだけのことはある」
「ゴルフの時にどうですか。イーグルが出そう」
「男前」
このPOPを見たお客の反応はどうでしょうか。
まずは、手にとり、試着するのではないでしょうか。
「人生が変わるかも」と言われたら、気になりますよね。自分がそのメガネをかけたら、どんな雰囲気になるのか見たくなるのが心情だと思います。
この一言POPが、お店に来てくれたお客に対して、楽しい雰囲気を感じさせ、お客はリラックスするのです。
そのリラックス効果によって、お客が店主に心をゆだね、「買ってみようかな」と思わせるのでしょう。
当初、一言POPは商品説明的なものになることが多かったようです。ある売れ残りぎみのフレームには、
「ドイツの職人が手作り。水牛の角と木を染色して貼り合わせた自然素材のフレームです」
と書き、なかなか反応がなかったようです。
しかし、試行錯誤を繰り返すうちに、同じようなフレームに
「私はこれをかけて池波正太郎を読みます。ワクワク感が倍増するのだ!」
と書けるようになって来たそうです。
すると、そのPOPがお客の目に留まり、手に取り、試着してくれるようになっていったそうです。
今では、一言POPをつけないと気が済まない、伝えるのが楽しい気持ちになっているそうです。
この一言POPには、商品説明を超えた、「店主のこころの一言」が宿っていると思います。
顧客の心をつかむ神業コピーをマスターするには、売り手からお客への「心からの一言」をマスターすることが大事なのではないでしょうか。
(日経MJ/2013年10月30日号「招客招福の法則/小阪裕司」)
POPといえば、本屋さんの書籍POPが有名ですが、 1998年に千葉県習志野市の昭和堂という本屋から売れ始めた『白い犬とワルツを』(新潮文庫)が、始まりだといわれています。 無名作家で3年間ほとんど売れていなかった本を200万部を超えるベストセラーにした伝説のPOPです。 その時のPOPの文章とは、 『妻をなくした老人の前にあらわれた白い犬。この犬の姿は老人にしか見えない。それが、他のひとたちにも見えるようになる場面は鳥肌ものです。何度読んでも肌が粟立ちます。“感動の1冊”。プレゼントにもぴったりです!!』 今読んでも、この本が読みたくなりますね。 このようにひとつのPOPが、歴史を変えることもあるのです。 すごいことですよね。 |