宿泊予約ポータルサイトと自社サイトの販売比率のバランスの最適化を考える。

  • 2014年03月28日
  • rakutenjalan

    ホテルのインターネット販売において、「楽天」や「じゃらん」といった宿泊予約ポータルサイトの比率が高まる中、今後の理想的な販売比率(自社とそれ以外)を考えてみましょう。

    チサンホテルグループとサンルートホテルチェーンとの業務提携のニュースがありました。まずはチサンホテルの2ホテルとホテルサンルートの1ホテルから始めるようで、両社のホームページの予約サイトから相互に予約できるようにするようです。

    この2つの大手ホテルチェーンが提携する背景には、「楽天」や「じゃらん」などのインターネット予約サイトの台頭があります。
    当初は、これらのサイトも売上の底上げを補う程度のものでしたが、今では、売上の根幹をなすまでに占有しているような状況になっています。
    もはや、これらのサイトなしでは、生きていけないと言っても過言ではないのです。
    さらに、「楽天」では、この状況に乗じて、手数料の値上げを検討しているようなので、ホテルとしても、現状を打破するための策を講じようとして、今回の提携となったのでしょう。

    しかし、いくら大手ホテルチェーンといえども、自社サイトだけでやっていけるほど、甘くはありません。
    市場のユーザーにとっては、「楽天」や「じゃらん」などの宿泊ポータルサイトでホテル選びをすることが、スタンダード化しているのが現状です。
    「あのホテルに泊まりたい」、「あのチェーンのホテルに泊まってポイントを加算したい」などと思っている人が、何割いることでしょうか。
    今回提携するホテルチェーンは、名指しされるような特長あるホテルではありません。
    自社サイトだけでは無理でしょう。

    宿泊予約ポータルサイトを選ぶか、自社サイトを選ぶかは、ユーザー次第です。
    ユーザーが、自社サイトを単独で選んでくれるには、膨大な広告をもって知らしめなければなりません。そんなことはできないでしょう。
    そうであるならば、私は、中途半端な提携をやめて、現状の規模のままでも、少しでも特長のあるホテルを目指すべきだと思います。
    「清掃だけは隅々まで行き届いているホテル」
    「癒しの香りがホテル中に行き渡っているホテル」
    「スタッフがいつも笑顔のホテル」 など、ソフト面での特長ならいくらでもあるように思います。
    これらの特長は、口コミなどにより拡散し、宿泊ポータルサイトで高評価を得ることで、適正料金での販売がしやすくなると思います。手数料の値上げに文句を言う前に、自社の販売料金のアップ策を講じてはどうでしょうか。
    宿泊ポータルサイトを毛嫌いせず、うまく利用するぐらいの気持ちで臨むことが得策だと思います。

    (日経MJ/2014年3月28日号「サービス&エンターテイメント」)


    kyo_no_kando まとめ(今日の販促ポイント!)

    星野リゾートは、自社販売比率がたいへん高いホテルチェーンです。
    なぜそうかというと、「星野ブランド」を構築し、世間に知らしめたことにあります。
    今や、国内宿泊施設の中で、「憧れの宿=星野」という地位を築くまでになったと言ってもいいでしょう。
    ここまでいけば、宿泊ポータルサイトのチカラを借りずともやっていけるのです。
    この星野のブランド化は、ここ10年ぐらいのことです。
    今やネットの普及により、ブランド化もしやすくなっています。
    ブランド化を目指してはどうでしょうか。

     

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