外国人観光客の誘致について考える

  • 2013年08月25日
  • shingapore

    シンガポールの人口は約520万人。外国から訪れる観光客は昨年、過去最高の1,440万人に達しました。
    一方、日本の人口は、シンガポールの約23倍の約1億2000万人、外国人観光客数は836万人(シンガポールの約6割)です。国土面積は、日本はシンガポールの530倍、シンガポールは東京23区とほぼ同じ面積です。
    このように、国の規模は日本の方が格段に大きいものの、外国人観光客が少ないのはなぜでしょう。そこで、シンガポールの魅力を検証してみたいと思います。
    まずは、写真でも紹介した巨大ホテルの存在は大きいです。57階建てのホテルを3つ並べて、その上に船の形をした空中庭園でつないでいます。一度見たら忘れないインパクトのある形状です。
    ホテルの客室数2,561ルーム、世界最大級15,000平方メートルのカジノ、4,000人収容の劇場、300店が並ぶショッピングモール、スケートリンクなど、このホテルだけで、1日1万人以上が楽しめるようになっています。年間300万人以上となります。
    このホテル以外にも一般庶民が楽しめる施設も充実しています。ナイトサファリ、今年4月オープンのリバーサファリ、ユニバーサルスタジオや水族館、大衆料理のポーカーセンターなども人気です。
    裏を返せば、これしかないのです。自然遺産や文化遺産もありません。なのに、どうして、日本よりも多くの外国人観光客が訪れているのでしょうか。

    シンガポールの観光客を国別にみると、インドネシア、中国、マレーシア、オーストラリア、インドとなっています。アジアの新興国をうまく取り込んでいることがわかります。
    シンガポールは、海外からの「旅の初心者」を受け入れることをベースしていると考えられます。
    お金や知識がなくても、そこそこ楽しめる国=シンガポールという訳です。
    こうして考えると、外国人からしてみれば、日本はお金もかかり、知識がないと楽しめない=気むずかしい国となるように思われます。
    特に、アジアの人たちには、もっとわかりやすい魅力が必要なのではないでしょうか。
    東京スカイツリーのライトアップも、シンガポールの上の写真のレーザーショー並に、派手にしてどうでしょうか?



    (日経MJ/2013年8月23日号「品田英雄のヒットの現象学」)☆写真は、シンガポール観光の牽引役となっている
    「マリーナ・ベイ・サンズ」のレーザーショー


    kyo_no_kando まとめ(今日の販促ポイント!)

    北海道の観光名所もないようなビジネスホテルが、タイからの観光客で人気となっています。
    その理由は、夕食時に、餅つき、流し素麺、和太鼓体験などのアトラクションがウケているようです。そこには、コンセプトもこだわりも何もありませんが、タイから来た観光客はたいへん喜んでいます。あまり難しく考えずに、日本を少しでも触れてもらい、喜んでもらえば、それでいいというスタンスで外国人観光客を迎えられないものでしょうか。
    日本人向けには上質で本物志向のサービスが求められていますが、外国人はそんなサービスを望んではいません。
    このギャップをバランスよく割り振っていけるような柔軟さが必要なのです。

     

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