消費増税後の消費行動は、価格志向から中味指向へシフトしています。
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4月の消費増税を受けて、価格設定の対応で分かれたファーストフード店(FF店)に対する消費者1000人へのアンケートから、消費者の消費行動が、価格から中味へとシフトしている傾向にあります。
日経産業地域研究所では、「増税後のFF店の店選び」の調査を実施しました。
その中で、「価格がどう変わったかよりも食べたいメニューを重視する」と答えた人が、半数以上いました。
次に、「価格がどう変わったかよりも便利な場所にあるかを重視する」と答えた人が、4割弱あり、「価格は気にせず、自分が好きなメニューの有無や場所の便利さを重要視している」という結果がでました。
また、FF店への利用回数を「減らす」が、「増やす」を大幅に上回り、客足に大きな影響が出そうです。
このように、消費者の指向が、価格ではなくなりつつあることは確かなことです。
この動きは、アベノミクス効果と思われがちですが、私は違うと思います。
2014年4月30日のブログで、消費者の商品選択の4つのスタイルの紹介しました。
☆そのブログは… http://5e-planning.com/consumer_behavior_analysis/
そのブログで私は、価格志向の強い=安さ優先消費スタイルは、2000年から毎年減少傾向にある一方、中味指向の強い=プレミアム消費スタイルは、逆に年々増え続けていると紹介しました。
つまり、消費者の価格志向から中味指向へのシフトは、アベノミクスや消費増税の影響ではなく、日本経済が変遷している中での、消費者の意識の変化であると言えます。
このことから、これからの商品開発は、目先の現象にとらわれることなく、大きな流れの中にある消費者の意識の変化と捉えていく必要があると思います。
(日経MJ/2014年5月16日号「教えて消費のギモン」)

ホテルや旅館の宿泊プランでも同じことが考えられます。価格だけでは売れなくなっているのも、消費者の意識の変化が理由にあると思います。 普通の客室、普通のお風呂、普通の食事のように、すべてが普通=無難=当たり前だと、売れなくなっているのが現状だと思います。 昔ながらのホテルや旅館では、集客が難しくなっているのではないでしょうか。 私は、手間をかけることをおススメします。 客室やお風呂をリニューアルするには、莫大な資金が必要になります。すぐにはできないでしょう。 人の手間をかけることならすぐできると思います。 たとえば、食事の中で、地元の手づくり家庭料理を出すとか、少しの手間を加えるだけでも、差別化はかれるものだと思います。 |