消費増税後の景気はどうなる?「反動減は想定内」と言われるワケを考える。

  • 2014年05月13日
  • economic_trend

    4月の消費増税から1ヶ月がたちました。乗用車や家電、一部の高額商品にブレーキがかかったものの小売りの現場は「反動減は想定の範囲内」と口を揃えていっています。そこで、「想定内」と言われるワケを考えてみることにしました。

    反動減が「想定内」にとどまる最大の理由は、雇用と所得の底堅さではないかといわれています。
    3月の有効求人倍率は、1.07倍と2007年6月以来の高水準。労働需給面からの賃上げ圧力は強いものがあります。
    4月のベースアップも大企業中心に広がり、夏のボーナスも明るい状況のようです。
    また、企業も消費者も双方が、1997年の消費増税の経験を活かし、冷静に乗り過ごしたことも影響しているのではないかと思われます。

    デフレ時代の勝ち組企業(すき家など)では、深刻な人手不足により、営業を一時中止する事態にまでなっており、非正規社員から正規社員への登用も進み、労働環境が少しずつ好転していることも、理由のひとつと考えられています。

    その中で注目するべき現象は、消費者の選別の目が強まっていることです。
    紳士用品では、一足6〜7万円もする英国製や国内老舗の紳士靴の販売が伸びています。デフレ時代の勝ち組=真似組の不振、その象徴が、東京チカラめしの事業売却です。
    消費者の選別の目という点では、100円ショップ業界がその象徴といえるでしょう。
    リーディングカンパニーのダイソーの低迷と業界2位のセリアの台頭です。
    セリアのデザイン性にとんだラインナップは、消費者の多様化するニーズをうまく捉えたと言っていいでしょう。ダイソーの商品数とセリアのデザインの勝負は、デザインが勝っている訳です。
    このような消費者の動向を的確に把握しつつ展開することが重要だと思います。
    です。

    (日経朝刊/2014年5月12日号「増税後の浮揚力」)


    kyo_no_kando まとめ(今日の販促ポイント!)

    日帰りバスツアーでは、関越道の事故以降、バス会社への不安により、不振に喘ぐ旅行会社も少なくありません。
    しかし、HISの日帰りバスツアーは飛躍的に伸びています。
    前々回のブログでも紹介しましたように、ツアーの内容や価格は、他社と比べて同じようなものです。
    ターゲットを変えたことともう1つは、テレビとのタイアップにより、品質の安全性や安心感を消費者に植え付けたことです。
    さらに、バスの車体デザインにHISのロゴ大きく入れたことで、バス自体がHISのバスのような信頼性を与えているのです。実際は、所有者はバス会社であり、HISはバス会社と年間契約をすることで、バス会社の負担でプリントしています。
    しかし、消費者に取ってみれば、あたかもHIS所有のバスであり、HISだから安心というイメージはつきやすいのではないでしょうか。
    日帰りバスツアーにおいては、消費増税後のツアー代金の値上げよりも、バスへの安心感、信頼性が認められれば、少々の値上げは足かせにならないと言うことではないでしょうか。
    増税後の価格面を意識しているのは、企業の方かもしれません。

     

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