縮小傾向にある業種において、勝ち組になる方法
市場が縮小傾向にある業種において、業績を伸ばしている会社があります。
長野市にある創業60年の呉服店「たちばな」です。
呉服市場は、1998年の1.9兆円をピークに昨年は3000億円規模にまで減少してしまいました。6分の1にまで縮小したことになります。6軒中5軒の呉服店がつぶれた訳です。
このように呉服業界がどんどん縮小する中、「たちばな」では、4年前に「モノ」から「コト体験」に重きを置いた経営手法に転換して、業績を伸ばし、昨年には過去最高の売上高を記録しました。
◎「商品をお客さんに正しく伝えよう」
◎「着物を着る機会を増やしてあげよう」
◎「心からこれがほしいという気持ちになってもらおう」
この3つの当たり前の考えを具現化したのが、「着物を楽しむ会」の開催です。着物ファンの集まるイベントです。食事会や観劇、芸術鑑賞などです。
当初は2ヶ月に1回、現在では毎月開催しているようです。
新規客は700人、総参加者は3,000人にもなりました。
店側では、イベント時に呉服の購入を勧めることは一切していないそうです。「心からこれがほしいという気持ちになる」まで待っているようです。
顧客は、この店の信条に対して共感したとき、感情的なつながり=絆へと発展し、本当の顧客へとなっていくのです。
(日経MJ/2013年9月20日号「満足のツボ」)
まとめ(今日の販促ポイント!)
市場の規模が縮小している業界において、 ◎「商品をお客さんに正しく伝えよう」 ◎「商品を使う機会を増やしてあげよう」 という姿勢は、とても重要です。縮小していると言うことは、必要性もなくなっている訳ですから、商品カテゴリー(業種全体)自体の価値を認知させなければなりません。最近の成功例は、サントリーのウイスキーです。ウイスキーは、ビールや焼酎に押されて年々縮小傾向にありました。そこで、ハイボールブームを仕掛け、ウイスキーの売上アップへと導いたのです。まさに。「商品を使う機会を増やしてあげた」結果の成功例なのです。 このように、いくら縮小傾向にある業界でも、勝ち組になるチャンスはあるのです。 |