見込み客に育てる販促プランについて考える。
私は、1989年にワールドトレードセンター(写真左)の最上階で食事をしたことがあります。
会社の研修旅行の際のニューヨークでの一番の思い出でした。それこそ、雲上の摩天楼で、アメリカのチカラを感じました。
しかしそのビルは今はありません(写真右)。
あの時の食事は掛け買いのない思い出としてさらに一層大きくなったのです。
私は、2001年以降は、よく人に話すようになりました。あのビルに上ったことがある。最上階で食事をしたことがあると。
そして、行きたいところには、行けるときに行っておいた方がいいと話しています。
「見込み客」ですらない消費者に、自社商品へ興味や関心を喚起させるにはどうしたらいいでしょうか。
日本生命では、サイト上でキャンペーンなどを実施し、応募などを契機に登録を促し、会員数を約20万人まで達しさせました。
その会員は、キャンペーンの賞品目当てですので、生命保険に興味のある見込み客ではありません。そこで、日本生命では、獲得した20万人に対して、「みんなのライフイベント」と題したアンケート企画を展開しています。その中で、例えば、結婚がテーマのアンケートでは、「お金か愛か、選ぶならどっち」と題して、意見を募集します。そこでエントリーされた意見をオープンにして、20万人に消費者の意見として見てもらう訳です。
そこでは、「最初は愛さえあれば何だって乗り越えられると思ったけど、思わぬ病気になり、お金も大事だなと思った」などという、日本生命にとっては「ありがたい」コメントも出てくる訳です。
これは、日本生命からでなく、自分と同じ消費者の意見だからこそ、素直に耳を傾けられるのではないかと思います。ネット上の作業ですから、経費の心配もなくやっていけると思います。
私の最初の話、「行きたいところがあったなら、行けるときに行っておいた方がいいよ」と私の経験を語る場所を提供することが、大事なのではないかと思うのです。
(日経MJ/2013年8月16日号「日経デジタルマーケティング/成功のヒミツ」)
まとめ(今日の販促ポイント!)
日本生命の手法は、旅行会社にも当てはまると思います。 海外旅行に全く興味のない人たちを、キャンペーン等で集めて、みんなのイベント広場を作り、アンケートを募集するのです。 上と同じように結婚がテーマのアンケートでは、「きちんとした結婚式は必要か不要か」と題して、意見を募集します。 必要と答えた人の中から、「多くの人に祝福してもらい、新婚旅行でもいい思い出ができました。いいスタートができたと思います。」なんて意見がでてくるかもしれません。 このような販促プランは、即、売上に直結することではありませんが、2年後、3年後には、必ず結果が出てくるものだと思います。 その時は、大きな武器となっているのではないでしょうか。 |