立山黒部への個人客の誘致にはソフトを発信せよ!
日本を代表する山岳観光の「立山黒部アルペンルート」は、立山黒部貫光という民間企業が運営しています。立山黒部アルペンルートを結ぶ交通手段=ケーブルカーやトローリーバス、ロープウエイ、バスなどを一手に運営するキャリア系企業です。
その運営会社が、2015年春に開業予定の北陸新幹線をにらんで、観光客増加を狙い、2000m付近にある2つの系列ホテルをシャトルバスで結んだり、室堂駅と黒部平駅と立山駅の3駅にWi-Fiを導入するなど、観光客100万人の回復を目指しています。
立山黒部アルペンルートの観光客数は、1991年の149万人をピークに、2010年までは、ほぼ100万人をキープしていましたが、2011年の東日本大震災以降減少し、昨年2012年は88万人でした。その要因は、団体旅行の減少にあるようです。
団体旅行の減少は、震災ショックにより、日本中が家族の絆を意識し始めたことから、家族旅行が増えたことが一因として上げられると思います。今年に入ってから、お正月から春休み、GW、夏休みと好調なのは、まさに家族旅行の増加に起因するところが大きいのではないでしょうか。
そこで、個人客と外国人観光客を誘致のターゲットとしたようです。
私はこの判断には賛成です。
しかし、その販促手法は、キャリア系ならではのハード面のテコ入ればかりで、ソフト面のサポートが見られないのが残念でした。
ハード面の充実は、「行ってみよう」「見てみよう」には直結しません。
旅心をくすぐるのは、「あの景色が見てみたい」「あの場所に立ってみたいという」感情を奮い立たせることです。
そんな写真や動画をネット上に更新してほしいと思います。
(日経MJ/2013年8月26日号「観光・街づくり」)
まとめ(今日の販促ポイント!)
立山黒部は、観光地の部分と登山地の部分の両面を兼ね備えているところに、どっち付かずのところがあると思います。 日本の観光地は、このように2面性を持っているところが多いから、外国人観光客数が伸び悩んでいるんではないでしょうか。 外国人には分かりにくと思います。あの京都ですら、外国人観光客が100万人に達していない訳です。京都は観光地であり寺院なのです。我々が、ヨーロッパ旅行に行き、見学する教会は、観光の対象でしかありません。 それと同じことです。 もう少し、表面的な上っ面部分だけでもいいと思いますので、ミーハーな観光誘致策をとってもいいのではないでしょうか。 |