楽天、アマゾン、ヤフーから学ぶ、これからのECショップのあり方

  • 2013年10月17日
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    ★2013年10月7日、ヤフーの孫会長は、ヤフーショッピングの完全無料化を発表しました。

    年間の総流通額約9兆円、年率約12%の成長を続けるEC市場。2桁成長を続けるEC市場において、ヤフーショッピングは、ゼロ成長。シェアも楽天約29%、アマゾン約12%、ヤフー約6%と2強に大きく水をあけられた状態でした。

    そんな中、孫会長から電撃的な発表があったのです。従来の出店料(初期費用2万1000円および月額費用2万5000円〜)、ロイヤルティ(売上の1.7~6.0%課金)ともに無料化するということでした。この無料化によって、2014年3月末までに最大約90億円の営業利益を失うことになるのです。創業者の孫会長にしかできない判断だったと思います。

    楽天は、4万店のサイトを手厚く支援しています。約500人のECコンサルタントを抱え、楽天大学ではネットショップ向けの販促マーケティングを学ぶことができます。開店を検討している会社や個人には、営業のサポートがあり、全面的にマンパワーで、ネットショップ支援しています。
    楽天は、ショップ支援に費用を費やしていると考えられます。
    なぜそのようにマンパワーを費やしているかというと、出店者からの出店費用をしっかり徴収しているからです。スタンダードプランの場合の出店費用は、月額52,500円(講習料を含む33万円を6ヶ月分前納)です。
    ちなみに、4万店×52,500円=21億円/月、年間252億円になります。

    一方、アマゾンは、幅広い品揃えの自社販売と送料無料とが特徴となっています。また、予約をしても発送準備にかかるまではキャンセル可能です。
    これを見てもわかるように、アマゾンは顧客本位です。顧客が満足するための支援に費用を費やしていると考えられます。
    月額固定4,900円(いつでも解約可能)。アマゾンは、自らも販売しているショップなので、出店者と同じ立場です。固定費は少なくして、取引で稼ごうというスタンスなのです。

    そこで、今後のヤフーショッピングはどうでしょうか。完全無料化によって、新規ストアの出店希望者は、1日で1万件、個人の出店希望者は1万6000件と、合わせて2万6000件が集まりました。今まで10年かけて2万件だったので、この凄まじさがわかります。
    出店数が多くなれば、取扱量も増えるでしょう。ヤフーとしては、増えた購買履歴をもとに、より精度の高いネット広告(=インタレストマッチ広告)に活用する狙いがあります。広告収入に活路を見出すことに決めたのでしょう。
    これにより、ヤフーは、質より量を目指した、マンパワーよりロボットパワーを活かしたショッピングサイトを構築していくと思います。店舗数を増やし、取扱量を増やすことに集中し、なるべく人を介在させず、展開してくように思えます。

    それでは、これからのECショップのあり方はどうしたらよいのでしょうか。
    まずは、上の3強それぞれが向かっている方向性を認識することです。この3強は、それぞれ独自の路線を歩もうとしています。この方向性を見誤らなことが重要です。特に、楽天は人海戦術でアプローチしてくる思いますので、距離を保ってつき合うべきでしょう。
    楽天で、ECマーケティングのノウハウを学び、アマゾンやヤフーで売上を上げることが望ましいと思います。1:2:3ぐらいの売上構成比なれば、いいですね。


    kyo_no_kando まとめ(今日の販促ポイント!)

    私としましては、これからECショップ展開を計画している方には、アマゾンをおすすめします。アマゾンはショップサイトです。自社販売もしていることが、大事なことです。売るための苦労を共有できます。
    では、アマゾンに向いている商品はどんなものがあるでしょうか。
    アマゾンで販売していない自社製の商品を扱っているショップには最適だと思います。価格競争にも巻き込まれず、独自のペースで販売できます。

     

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