徳島県三好市の「妖怪村」の観光展開に一言。「日本人の自然崇拝」意識をベースにしよう!

  • 2013年11月04日
  • dosojin

    ★徳島県三好市山城町「妖怪の故郷」後世に残す

    1999年、民族学者の柳田国男の著書の中で、徳島県三好市山城町の大歩危(おおぼけ)が、漫画『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する「児啼爺(こなきじじい)」の発祥の地であることが紹介されました。その後、2001年から、大歩危では、児啼爺の故郷として、後世に残すために、さまざまな活動をしています。

    木彫りのモニュメントの設置、「妖怪まつり」の開催、妖怪人形の販売、妖怪街道のウォーキングツアー、妖怪屋敷の開設などを、町の人たちが主体となって、手作りで行なっているようです。

    今年からは、三好市も後押しを始めました。

    徳島県の三好市山城町に、妖怪伝承が伝えられているのには、理由があります。それは、この地が急な崖や暗い淵に囲まれていることにあるのです。
    昔、そこに住む子供たちに対して、崖や暗い処で遊んでいたら危ないことを促すために、「妖怪話」で怖がらせて、注意を促したそうです。
    厳しい自然環境から子供たちを守る親心が生んだ妖怪なので、「怖いけれど、どこか暖かさを感じる」のではないでしょうか。

    元々、日本人の精神のより所である神道には、万物に宿る神々ー山の神、海の神、風の神などがありました。大自然そのものが神という捉え方です。これが神道の自然崇拝です。また自然界の目に見えないエネルギーも神と呼んできました。つまり日本人は目に見えない精神的な存在、霊的な存在をすべて神と呼んだのです。

    このように、自然と密接に生きてきた日本人だからこそ、「妖怪」が生まれ、長く伝承されてきたのではないでしょうか。さも山奥の暗がりから出てきそうな気配を察するのは、自然崇拝から培われたDNAが、いまでも我々日本人の体の中にあるからでしょう。

    「妖怪」は、自然そのもの、神なのではないでしょうか。
    このような観点から「妖怪」を捉えて、観光資源の1つとして、後世に残すようにしていきたいですね。



    (日経MJ/2013年11月4日号「観光・街づくり」)


    kyo_no_kando まとめ(今日の販促ポイント!)

    今年2013年6月に、富士山が、「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」の名で世界文化遺産に登録されたました。風光明媚な山が、自然遺産としては却下され、文化遺産として認められたことに意味があると思います。これも自然崇拝のひとつです。
    そして、今、「日本料理」を世界遺産に申請しようという動きもあります。このような日本特有の文化は、もっと世界にアピールするべきだと思います。「おもてなしの心」もそうです。
    日本の精神文化は、もっともっと世界にPRするべきではないでしょうか。

     

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