地方の観光誘致には、着地型観光を発展させることがポイントとなるでしょう
★このままでは、着地型観光は発展しない。
地方にとって最適な着地型観光とは何かを考えよう!
自治体や地元の観光事業者が中心となって、地元の観光資源を掘り起こし、旅行商品に仕立てる「着地型観光」が広がりつつあります。
「着地型観光」とは、観光客や旅行者を受け入れる地域が、自分たちの持つ観光資源を生かして企画するツアーのことをいいます。これに対して「発地型観光」とは、主に都市部の事業者(旅行会社)が、地方の魅力を見出して企画するツアーのことを指します。ほとんどの旅行ツアーは、「発地型観光」ということになります。
では、「着地型観光」が、注目されてきた背景は何でしょうか。
①.国内消費者の観光ニーズが成熟(本物志向、体験志向)しつつあること。
②.地場産業の衰退を観光でカバーしようとする動きがあること。
③.LCCの台頭で、従来の団体周遊ツアーが成立しにくくなること。
④.外国人観光客数が高まる傾向にあること。
現状の問題点は何でしょうか。
①.販売価格のジレンマ。着地型観光は、大量集客型でないため、1人あたりのコス
トが高くなります。
②.宣伝力不足。ノウハウもお金もないため、効果的な集客が望めない。
③.①と②を補うようにすることで、従来通りの「発地型観光」に似たツアーとな
り、差別化がなくなる。
今後、地方の観光誘致における「着地型観光」のあり方とは何でしょうか。
①.不便な場所は、不便なままに。人数制限があれば、入場規制をする。
といった具合に、観光客のために都会の便利さを持ち込まないようにすること。
②.本当に自慢できるものだけを紹介する。
③.目先の利益は望まない。儲けようと思わない。
④.住民主体の「町おこし」の一環として、「着地型観光」を位置づけて、
行政主体から、住民主体へと転換させる。
観光で儲けようと思ったら、大手旅行会社に太刀打ちできる訳がありません。ですから、同じフィールドでは勝負しないことです。
地方の観光行政は、観光客のためではなく、住民のために、なすべきことを考えるべきだと思います。
(日経MJ/2013年10月21日号「観光・街づくり」)
まとめ(今日の販促ポイント!)
住民からの協力を得るには、行政の指針をきちんと打ち出すことが必要です。アピールする町の魅力を明確にすることで、住民はその目的に向かって進みやすくなるものです。 「おらが町のいいところを自慢したい」という気持ちを高まらせます。 住民が動くことによって、お金だけでは解決できないいろいろな問題もクリアできます。これこそが、地方の観光誘致の理想的な姿だと思います。 |