地方の観光誘致には、着地型観光を発展させることがポイントとなるでしょう

  • 2013年10月21日
  • syokunin

    ★このままでは、着地型観光は発展しない。
    地方にとって最適な着地型観光とは何かを考えよう!

    自治体や地元の観光事業者が中心となって、地元の観光資源を掘り起こし、旅行商品に仕立てる「着地型観光」が広がりつつあります。

    「着地型観光」とは、観光客や旅行者を受け入れる地域が、自分たちの持つ観光資源を生かして企画するツアーのことをいいます。これに対して「発地型観光」とは、主に都市部の事業者(旅行会社)が、地方の魅力を見出して企画するツアーのことを指します。ほとんどの旅行ツアーは、「発地型観光」ということになります。

    では、「着地型観光」が、注目されてきた背景は何でしょうか。

     ①.国内消費者の観光ニーズが成熟(本物志向、体験志向)しつつあること。
     ②.地場産業の衰退を観光でカバーしようとする動きがあること。
     ③.LCCの台頭で、従来の団体周遊ツアーが成立しにくくなること。
     ④.外国人観光客数が高まる傾向にあること。

    現状の問題点は何でしょうか。

     ①.販売価格のジレンマ。着地型観光は、大量集客型でないため、1人あたりのコス
      トが高くなります。
     ②.宣伝力不足。ノウハウもお金もないため、効果的な集客が望めない。
     ③.①と②を補うようにすることで、従来通りの「発地型観光」に似たツアーとな
      り、差別化がなくなる。

    今後、地方の観光誘致における「着地型観光」のあり方とは何でしょうか。

     ①.不便な場所は、不便なままに。人数制限があれば、入場規制をする。
      といった具合に、観光客のために都会の便利さを持ち込まないようにすること。
     ②.本当に自慢できるものだけを紹介する。
     ③.目先の利益は望まない。儲けようと思わない。
     ④.住民主体の「町おこし」の一環として、「着地型観光」を位置づけて、
      行政主体から、住民主体へと転換させる。

    観光で儲けようと思ったら、大手旅行会社に太刀打ちできる訳がありません。ですから、同じフィールドでは勝負しないことです。
    地方の観光行政は、観光客のためではなく、住民のために、なすべきことを考えるべきだと思います。



    (日経MJ/2013年10月21日号「観光・街づくり」)


    kyo_no_kando まとめ(今日の販促ポイント!)

    住民からの協力を得るには、行政の指針をきちんと打ち出すことが必要です。アピールする町の魅力を明確にすることで、住民はその目的に向かって進みやすくなるものです。
    「おらが町のいいところを自慢したい」という気持ちを高まらせます。
    住民が動くことによって、お金だけでは解決できないいろいろな問題もクリアできます。これこそが、地方の観光誘致の理想的な姿だと思います。

     

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