ヤオコーの提案型営業の成功から学ぶ、どんな状況であっても売れる店づくり
★埼玉県を地盤とする食生活提案型スーパーマーケットを提唱している・ヤオコーが、23期連続増収増益。
少子高齢化で市場が縮小しつつある中、大都市圏のスーパーマーケットは、大手から中堅まで大激戦が続いています。
その中、ヤオコーは、首都圏に106店舗を展開しています。一方、業界大手イオンは、およそ1,800店舗を有し、規模では全く及びません。
しかし、大手が苦戦している中、ヤオコーは好調を維持しているのです。
好調の理由は何でしょうか。
◎ヤオコーは、安さでは勝負しておらず、
「今晩のおかずはヤオコーに行けば決まると言われる店になろう」を合言葉に、
地域の食の知恵袋=食生活提案型スーパーマーケットを目指しています。
「提案型営業」とは、顧客のニーズを先回りして提案することです。
価格競争とは一線を画して、顧客満足を高めることを目指すものです。
実現できれば、この上ない結果を得られますが難しい問題があります。
「提案」が、個人のポテンシャルやスキルに依存することが大きいからです。
そこで、この問題を解消するために、ヤオコーでは、社員やパート社員のモチベーションを高めるための施策として、権限を委譲し、任せて見守る経営を行っているのです。「指示待ちではなく、自分の意思で積極的に行動できる人材」を育成することに、重点をおいています。
これによって、ヤオコーの独自性である「提案型・地元密着型の活気ある売り場」を作っているのです。
ヤオコーの川越南古谷店では、壁一面30メートルの棚が惣菜で埋め尽くされていて、その数なんと400品目にもなります。惣菜のほとんどはヤオコー店内で調理をしています。その惣菜を調理しているのは、技術認定の資格を持つ「惣菜マイスター」と呼ばれるスタッフです。この検定を設けることでレベルアップをはかっています。
また「クッキングサポート」も行っています。献立に悩む主婦の夕飯のヒントにしてもらおうというもので、レシピまでちゃんと用意されています。
お客さんに食を提案するお店として、徹底的にこだわることで、大手に負けないスーパーを作り上げることに成功したのです。
中堅企業が、大手企業に立ち向かうヒントが、ココにあるのではないでしょうか。
(日経/2013年10月23日号「企業2」)
まとめ(今日の販促ポイント!)
あるメガネ屋さんの店主の一言POPの話を紹介します。 その店では、店頭に展示されているフレーム1つ1つに、一言だけのPOPを付けています。 「人生が変わるかも」、「高いだけのことはある」、 「ゴルフの時にどうですか?イーグルでそう」、 「横から見ると衝撃的にかわいい!」、「男前」などです。 これも一種の提案型営業だと思います。 店主の1つ1つのフレームに込めた思いをPOPに託して、お客に提案しているのです。自分の口から紹介していたら、売り込みっぽくなってしますので、POPを通して、伝えようとしているのでしょう。 このように、売り手の主観を伝えることで、商品とお店に対する信頼性が高まり、お客との間に信頼という見えない糸で結ばれていくのではないでしょうか。(日経/2013年10月23日号「諸招客招福の法則/小阪裕司」) |