日本の消費者は賢く大人になっています。売り手側も大人になりましょう。
2014年4月に消費税が5%から8%に上がることが、正式に決まりました。
初めて消費税が3%に導入された1989年、3%から5%に上げられた1997年と、それぞれ25年前と17年前になります。こうしてみると、だいぶ昔の話なんですね。
今、政府では、その際の二の舞を踏むまいと、いろいろと上辺だけの策を講じようとしているように見えます。
私は、今回の8%への増税は、前回2回のような景気の悪化を招くようなことはないと思います。
車や住宅などの駆け込み購入も、それほどヒートアップしないのではないでしょうか。
日本の消費者は、以前と比べて賢く大人になっています。
また、3.11の震災の経験から、自分さえよければいいという身勝手な行動は慎むように思います。
日本の将来の子供たちにツケを回さないためにも、仕方がないと理解しているのではないでしょうか。
ですから、あまり上辺だけの対処策はしない方がいいと思います。
値札についても、現行の「総額表示」の義務化が緩和され、税抜き表示も特例として認めるようなことも、やめた方がいいと思います。どちらか一本にまとめた方が分かりやすいですし、逆に混乱を招くと思います。
上辺論ではなく、本質論を考えるべきではないでしょうか。
日本の消費者の多くが、賢く大人になっていることを踏まえて、売り手側も賢く大人になり、商品の価値を正しく伝える努力をしていけば、消費税増税の影響を受けることなく、成長できると考えています。
(日経MJ/2013年10月4日号「1面」)
今回の消費税増税についてもそうですが、売り手側は、自分の考えを持つことが重要だと思います。 消費者の信頼を得るには、まず持論を持ち、ブレないことが必要です。 原子力について、日本の自衛権と憲法についてなど、日本の将来に関するような大きなテーマについては、持論を持つべきでしょう。そうすることで、消費者から信頼を得られ、商品価値の説明へ導けるのではないでしょうか。 |