好調な「コト」消費のエッセンスを「モノ」消費と融合させると、「モノ」も売れるようになる

  • 2013年11月07日
  • illumination

    ★好調「コト消費」追い風をとらえて業績を伸ばす

    国内サービス業の中でも、レジャー消費は好調を維持しているようです。
    「コト消費」への意欲は旺盛で、開園30周年で賑わう東京ディズニーリゾートを筆頭にテーマパークや、ホテルでは、前年を大幅に上回る実績となっています。

    「モノ」消費から「コト」消費へ。

    2007年頃から、この傾向は始まったとされています。
    こうなった要因の一つは、長引く不況による所得の減少、将来への不安から生まれた閉塞感を払拭したいという現れではないでしょうか。
    ファストファッションやPB商品に代表されるように、デフレ経済において「モノ」は低価格で、画一化されるという側面もあり、購入する際の「充足感」が得難くなっています。しかし、ブランド品を買ったり、高級レストランに食べに行くお金は無いのが現状です。
    ゆえに限られたお金で(閉塞感を払拭するために)いかに「充足感」が得られるかを、消費者はより一層求めているのではないでしょうか。
    この欲求が、「コト」へ流れている要因だと思います。

    今、アマゾンに代表されるように、欲しいものは、ほとんどネットでいつでもどこでも、しかも安く買える時代です。
    実店舗からしてみれば、同じものを同じ値段で売るだけでは、店舗に足を運ぶ手間の分だけ不利なことは明らかです。
    ではお客に来てもらうにはどうしたらいいでしょうか。その一つが、「モノ」だけではなく「コト」も提供できる店の仕組み作りをすることなのです。

    ららぽーとやイオンなどの大型ショッピングセンターは、料理教室や音楽教室などのサービステナントや、マッサージやネイルサロンなどの理美容テナントへの積極的な入れ替え、子供の遊び場や授乳施設の拡張などをすすめています。この動きは、今後、ますます広がっていくことでしょう。
    「モノ」を買うだけでなく、長時間滞在し、楽しむという「コト」を提供する場を作っているのです。
    IKEAやタイガー・コペンハーゲン(大阪に日本1号店がオープンし話題を呼んだデンマークの100円ショップ)などは、商品自体の魅力もさることながら、商品の配置や店内レイアウトを工夫することで、お客が店を回遊する時間を楽しむ「コト」を提供してします。

    今後「コト消費」は、より一層ニーズを増していくことでしょう。
    インターネットやスマホの発達により、単純な「モノ」の購入に新鮮な驚きを得ることが少なくなっている今、「モノ」にプラスアルファされる、「特別感」や「優越感」、「非日常性」を求めることは、消費者心理として当然なことです。

    「モノ」消費は、経済の根幹だと思います。「モノ消費」を衰退させないように、「モノ」の機能や性能、価格だけ売るのではなく、「心への効果」「気持ちの変化」など、目に見えないものを売っていくようにしましょう。



    (日経MJ/2013年11月6日号「第31回サービス業総合調査」)


    kyo_no_kando まとめ(今日の販促ポイント!)

    IKEAでは、食事が充実しています。
    あたかも、レストランがメインであるかのような充実ぶりです。
    カレーライス249円、ミートソース399円、ソフトクリーム100円、ホットドック100円、シナモンロール80円など、驚きの安さです。しかも美味しい。
    休日の朝は、家族連れが、IKEAで朝食を食べてから、その日のレジャーに出発するシーンがテレビで紹介されていました。
    その時買わなくても、家族連れの生活にとけ込んでいるIKEAは、すごいと思いました。
    これが、モノ消費にコト消費を融合させることなのでしょう。

     

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