3世代消費を誘う販促のキーワードは、「非日常のプチぜいたくな演出」

  • 2013年10月18日
  • disco

    ★10月の第3日曜日は「孫の日」 *1999年に日本百貨店協会が提唱

    最近では、ランドセルは、祖父母からのプレゼントが定番化しています。
    イトーヨーカ堂でも、ランドセルの新聞広告を「孫の日に贈るプレゼント」として、ストレートな広告を出しました。イオンでも、テレビCMで、祖父がこだわり製法で仕上がったランドセルを満足そうに手にする演出にしています。
    このように、あたかも、ランドセルは祖父母の贈り物として定義付けしているかのようです。

    ランドセル以外にも、開園30周年を迎えた東京ディズニーリゾートが「3世代ディズニー」を提案し、広告でも3世代のモデルがパークを楽しむ様子を紹介しています。ほかにも、HISの「3世代かぞくの旅」、ヘーベルハウスの「2.5世代住宅」など、ネーミング自体にターゲットを絞って、販売することが多く見られるようになりました。

    3世代マーケティングは、今後ますます拡大することが見込まれています。
    背景には、富の二極化、少子高齢化、女性の社会進出といった社会構造の変化が伴っているからです。
    政府の調べによると、親と同居、もしくは、1時間以内に行き来できる「近居」世帯は全国でおよそ80%に上ることがわかりました。働く女性にとって、親の近くに住み、子育てをサポートしてもらうことは、なくてはならないものになりつつあります。日常的に孫と祖父母が触れ合う機会が増えていることも、消費を後押ししているようです。
    一方、祖父母世代も、団塊世代であり、バブル時代の恩恵を受け、消費することの喜びや楽しみ方を知っている世代でもあります。
    どうせお金を使うなら、「孫のため」「孫が喜ぶ顔が見たい」という気持ちで、消費しているように思えます。

    これからの3世代消費を誘うには、日常生活をほぼ共にしている3世代に対して、「趣味を共に過ごすシーン」をバブリーに演出することが、消費にアクセントを促す効果があると思います。
    たとえば、高級ブランド・ルイヴィトンの祖母と娘と孫娘のための母系3世代バックとか、KAWASAKIの祖父と孫息子のためのモトクロスバイクとか、3世代でオーロラ観測体験ツアーやスキーツアーなど、日常生活から飛び出した「ぜいたくな趣味の共有」を提案してはどうでしょうか。



    (日経MJ/2013年10月18日号「マーケティングスキル」)


    kyo_no_kando まとめ(今日の販促ポイント!)

    祖父母が、孫のために支出する額は、年間平均24万6000円。シーン別では、孫との旅行が11万円で1番、入学、卒業、七五三と続きます。これからもわかるように、非日常の特別なシーンでお金を使います。祖父母としても価値あるところに、ドーンとお金を出してくれるのです。
    これからは、3世代消費を誘うには、「3世代の非日常のシーンの演出」を提案するようにしてはどうでしょうか。

     

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