戦略イノベーションで成功している勝ち組企業②  ー「俺のフレンチ・イタリアン」ー

  • 2013年11月22日
  • ore no

    ★戦略イノベーションで成功している企業ー俺のフレンチ・イタリアンー

    日本のフードビジネス業界は、低収益性のアリ地獄から逃れられないでいます。
    儲からない理由は簡単です。
    すべての企業が、激しい価格競争に直面する中、高い固定費(賃料や人件費など)を負担するために、食材の原価率を低く(30〜35%)押さえようとして、食材の調達を海外に依存していました。
    円高時代はよかったのですが、アベノミックスにより、円安傾向になると、調達コストが跳ね上がり、原価率がどんどん上がってしまい、利益を確保する手段がみえない、まさに「八方塞がり」の状況になっています。
    牛丼チェーン3社の現在の苦境がすべてです。
    値上げすれば顧客は離れていくから、また値下げ。このままでやっていけるのでしょうか。大好きな牛丼が食べられなくなる日がくるかもしれません。

    そこで、「俺の」の坂本孝氏は、為替などの外的要因に左右されない、強い食のイノベーションを構築するために、「高い原価率」と「高い顧客回転率」を組み合わせた事業モデルに活路をみいだしたのでした。
    それが、原価率60%の高回転率商売=「立ち飲みレストラン」の「俺のフレンチ・イタリアン」なのです。

    もう1つ、「食」にとって一番大事なこと「料理を作る人=料理人」にこだわったことです。
    「俺の」では、ミシュランの星を獲得した有名高級店のシェフを料理長として採用しています。
    有名高級店のシェフは、それほど高い給与でもなく、高級店の店の味やイメージに縛られ、自分オリジナルの味に挑戦することもできないのが現状でした。
    そこに目をつけた坂本氏が、埋もれた料理の技を思う存分試せるからと説得して、どんどん有名シェフを採用していったのです。
    「俺のフレンチ・イタリアン」は、メニューも店舗運営も店ごとに違います。シェフも作りたい料理を自由に作れるし、支配人も自分の思うようなスタイルの店をすることができます。
    そこには、料理人もホールスタッフもみんなが、「お客が味とサービスに満足するにはどうしたらいいのか」という命題に対して、常に前向きに考えて働く姿があります。
    この人たちのパワーは絶大なのです。

    戦略イノベーションで成功するには、働く人間のパワーが必要なことがわかりました。
    アメリカの輸入された、セントラルキッチンやマニュアル化は過去の遺物でしかないこともわかりました。
    これからは、日本の「お・も・て・な・し」を世界中に席巻しようではありませんか。

    (日経MJ/2013年11月22日号「日経MJヒット塾」)


    kyo_no_kando まとめ(今日の販促ポイント!)

    私は、以前仕事で、日本の中国料理の重鎮とご一緒させていただくことがありました。
    その方は、ホテルの総料理長だったのですが、プライベートでその料理長の中国料理レストランに伺おうとした時、その方が、「俺がいる時に来なさいよ。あの味は俺じゃないと出せないよ」と言われました。
    その時私は、「ホテルの料理は、いつも同じじゃないんだ。チェーン店じゃないんだから、料理を作る人によって違うんだ」と知りました。
    チェーン店になれてしまった私の間違いでした。
    料理は、「料理人によって味が違う」という当たり前のことが、最近、忘れ去れているように思います。

     

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