今後の国内観光を進化させるには、ご当地ヒット商品が「キッカケ」となるでしょう。
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★佐賀県武雄市の図書館と青森県深浦町のマグステ丼
昨年テレビドラマの「あまちゃん」や「半沢直樹」などがメジャーヒットしました。
一方、国内各地でもいろいろな商品やサービスが注目を集めました。そうした中、一過性のブームではないご当地ならではの個性豊かなラインナップが続々と登場しています。
以前もお話しましたが、大河ドラマによる観光ブームは、一過性のものです。福島県会津若松の「八重の桜・大河ドラマ館」は、来年の今頃は、閑古鳥状態ではないでしょうか。「あまちゃん」の「まめぶ」なども、伝統料理であるだけに、ブームで終わってほしくはないものです。
しかし、上の写真のように、佐賀県の武雄市図書館は、一過性のブームではないと思います。公共施設を民間企業の「TSUTAYA」が、運営したことで、今までの公共施設にないハード的な空間やソフト面の充実を提供しています。
福岡県などから来館する人もいるほどのようです。
観光ツアーの1つに組みいれても効果があるようにも思います。
上のもう1つの写真は、青森県深浦町の「マグステ丼」です。青森県の深浦町は、五能線や不老不死温泉、白神山地と観光要素は、まあまああるのですが、食の魅力がなかったことから、この商品を考え出したのでしょう。青森県の大間のマグロは有名ですが、深浦のマグロもメジャー化しようという思いなのでしょう。地域の努力が伺えます。
これ以外にも、茨城県つくば市の公道を「セグウェイ」で走ることができる観光ツアー、埼玉県さいたま市の「ツールドフランス」の名前が、フランス以外で初めてついた自転車の大会=「さいたまクリテリウムbyツールドフランス」、滋賀県の琵琶湖を一周する=「ビワイチ」、兵庫県の天空の城=「竹田城」、宮崎県が30年かけてチョウザメの完全養殖で開発した「宮崎キャビア1983」など、魅力的な商品やサービス、イベントがあります。
テレビドラマとか、世界遺産とか、ゆるキャラとかではなく、地域の誇りとなれるようなものを創り出しいってもらいたいと思います。
(日経MJ/2014年1月1日号「14面」)

国内観光を促進させるためには、既存の販促では進化していかないと思います。 城やお寺などの歴史的建造物、山や湖などの自然美を観光ツアーに組み入れての団体旅行は、近年伸び悩んでいるのが現状です。今後ますます下降していくことでしょう。 これからの国内観光は、「マグステ丼」がメインコンテンツで、白神山地がオマケのような観光ツアーが支持されるのではないかと思います。 |