小樽市はクルーズ客を逃すな。体験型やふれあい型プランで集客せよ。
★小樽では、2014年にクルーズ船の寄港回数が大幅に増加する見込み
北海道小樽市には、年間660万人の観光客が訪れます。1999年度の970万人をピークに、その後は下降し続け、昨年2012年度は、震災の2011年よりも増えたものの、2010年度に比べれば、減少しているのが、現状です。下降減少が止まったとはいえません。
特にこれと言って、景勝地や歴史的建造物がないことから、何も策を講じなかったら、観光客の下降減少は止まらないと思います。
現在は、小樽運河と小樽寿司の2枚看板の観光資源で何とかなっていますが、今後はどうでしょうか。札幌からのアクセスがいいことで、オマケ程度の観光地になっているのではないでしょうか。
来年寄港回数が増えるクルーズ客へのプラン提供は、そんな小樽へ絶好のチャンスだと思います。
寄港するのは、観光シーズンまっ只中の夏に集中します。観光施設では、「冬に来てくれればいいんだが」と思っています。
小樽の観光客に占めるクルーズ客の割合は、ほんのわずかかもしれませんが、クルーズ客は今後伸びが期待できます。
今のままでは、地元の自治体や観光協会が、地元のホテルや旅館、ドライブインやお土産店、飲食組合等に、クルーズ客向けのプラントの造成を声かけすると思います。夏に来られてもうれしくないと思っているこれらの施設では、クルーズ向けと称して、実は今まで国内向けに販売して来たものと変わらないものを提供するのではないでしょうか。
私は、このように既成概念に捕われていると、新しい展開は生まれないと思います。
プラン造成には、今までアプローチしたことない部門や団体に協力を仰いではどうでしょうか。
たとえば、小中学校の生徒たち、郷土芸能団体の人たち、町の文化サークルの人たちなどに声かけして、体験型、ふれあい型の観光プランの造成はどうでしょうか。
私は、旅の醍醐味は、その場所で生まれ生活している人たちとふれあうことだと思います。地元の美味しい料理や美しい景色、歴史的建造物を楽しむこといいですが、心に刻まれるものは、人とのふれあいだと思います。
決してスマートでなくてもいいと思います。手作り感一杯のプラン造成が新しい展開を生むと思います。
(日経/2013年10月28日号「観光・まちづくり」)
クルーズを楽しむ人たちは、概して社交的だと思います。 いくら大型船といっても、限られた船内で何日間も過ごす訳ですから、行き交う人たちとコミュニケーションしなければ、楽しくありません。 しかも観光旅行を為尽くした旅行のベテランです。 そんな人たちへ提供するプランは、やはり体験型やふれあい型でないと効果がないと思うのです。 |