特保の缶コーヒーのパッケージデザインは、「効果効能」よりも「親しみやすさ」で選ばれる。

  • 2014年03月13日
  • tokuho_coffee

    ★コンビニエンスストアが、煎れたてコーヒーを低価格で提供するようになり、缶コーヒー市場は苦戦が続いています。そうした中、メーカーが目を付けたのが、特定保健用食品の缶コーヒーです。そこで、サントリーと花王の2製品のパッケージを比較して、ユーザーの決め手となるものは何かを検証しようと思います。

    コンビニエンスストアが、低価格で提供する煎れたてコーヒーの勢いに押され、苦戦が続く缶コーヒー市場。2013年は売り上げ規模が対前年比マイナスになったようです。
    そうした中で、付加価値の高い商品を市場に送り出そうとしてメーカーが目を付けたのが、特定保健用食品の缶コーヒーなのです。
    サントリーは2014年1月、「ボス グリーン」を発売。コンビニコーヒーにはない価値を提供することで、既存の顧客の囲い込みや、女性など新たな顧客の獲得を狙っています。
    これに先駆けて、2013年4月に花王が「脂肪を消費しやすくする」点を売りにした「ヘルシアコーヒー」を発売していました。コーヒーブランドとして長く愛されてきた「ボス」と、特定保健用食品のブランドとして信用を築き上げてきた「ヘルシア」の2つのブランドが発売した特保缶コーヒー。この2製品のパッケージデザインを比較し、消費者が何を求めているかを検証します。

    アンケートの結果「どちらのパッケージの商品を買いたいと思うか」と聞いたところ、66.8%の消費者が、サントリーのボスグリーンを買いたいと回答。特に男性でボスグリーンを好む傾向が強かったです。
    2つのパッケージについて、消費者がどの部分に注目したかを調べると、ボスは、ボスのトレードマーク、ヘルシアは、人のシルエットのマークに集中していることが分かりました。
    消費者は、ボスのマークには慣れ親しんだ安心感を感じると答えた一方で、ヘルシアの人のシルエットのマークについては「リアルすぎる」「何を意味しているのか理解できない」というネガティブな評価が多かったです。嗜好品であるコーヒーには、親しみやすさも求められているようでした。
    また、特保といってもコーヒーなので、缶コーヒーメーカーと特定保健用食品メーカーでは、味への信頼と言う点でも、サントリーのボスへの信頼の方が高かったのでしょう。
    このように、消費者がすでに持っているイメージというものは、たいへん重要で、そのイメージを踏まえた上でのプロモーションが売上を左右するといっても過言ではないのです。

    (日経Bizアカデミー/2014年3月7日号「マーケティングWeb講座」)


    kyo_no_kando まとめ(今日の販促ポイント!)

    旅行会社においても、消費者がその会社をどのようなイメージで思っているのかについても、同じようなことが言えるのではないかと思います。
    たとえば、HISには、「海外旅行に強い」「安い」「フリープラン」などが、消費者が持っているイメージではないでしょうか。
    HISでは、最近首都圏発の日帰りバスツアーを販売しています。
    海外旅行とは全く畑違いのツアーですが、ネットと店舗販売と顧客向けの販促だけで展開し、成果を上げているようです。
    たぶん、海外旅行と同じように一般メディアでプロモーションしていたら、失敗していたことでしょう。顧客だからこそ、だと思います。
    このように、消費者が持っているイメージを考慮した上でのプロモーション活動が大切なのです。

     

    コメントを残す

    ページトップへ