価格の心理学から、4月からの消費税増税後の販促にそなえる。その2

  • 2014年02月22日
  • Rolex

    ★高いから売れる商品は、安くしては売れない。

    多くの人が憧れるロレックスの腕時計。安いものでも30万円、高いものでは100万円を超えるモデルもあります。
    では、もしこのロレックスが、1万9800円のモデルを売り出したらどうでしょうか。
    今までロレックスに手が届かなかった人たちからは、指示されるかもしれませんが、高い品質やステータスの象徴としてロレックスを購入していた層からは、ソッポを向かれてしまうでしょう。

    このように、「高いから売れる」という価格を「威光価格」と呼びます。
    一般の消費者には品質の判断が難しい高級品に多くみられる価格戦略です。

    威光価格は、別の名を「名声価格」といいます。
    「高いものは、品質もいい」といった心理効果を与えるものです。
    松坂牛や関サバなど、ブランド化された商品には名声価格がつくられ、「少し高くても、その分品質がいいのだから」「(お正月や結婚式など)せっかくの機会だから、いつもよりもいいものを」という心理が働きやすくします。
    普通の一般消費者は、肉や魚を目で見て「安くて新鮮で良いもの」を選べるものではありません。
    名声価格は、そういう目の利かない一般の消費者に大きな影響力を持つものです。

    価格心理学のマーケティングには、PSM(Price Sensitivity Measurement)分析という調査・分析方法があります。
    次のようなアンケートをします。

    あなたは、この商品がいくらくらいから「高い」と感じ始めますか。
    あなたは、この商品がいくらくらいから「安い」と感じ始めますか。
    あなたは、この商品がいくらくらいから「高すぎて買えない」と感じ始めますか。
    あなたは、この商品がいくらくらいから「安すぎて品質に問題があるのではないか」と感じ始めますか。

    これらの回答を集計して、4つの価格を割り出します。
    最高価格、妥協価格、理想価格、最低品質保証価格です。
    そして、理想価格と妥協価格の間が、適正な価格となる分析方法です。
    これは、前例がない新商品を発売する場合によく用いられているものですが、現行の商品においても、活用してもいいと思います。
    消費者の価格心理とズレが生じているのに、気づかず、売れないという理由で、よい商品であっても、販売をやめてしまっているケースがあるのではないでしょうか。
    最近のマーケットは、サプライヤー本位の価格政策が、目立ち過ぎていると思います。
    もう少し、消費者の価格心理を分析してはどうでしょう。

    (日経Biz/2014年2月18日号)


    kyo_no_kando まとめ(今日の販促ポイント!)

    旅行会社のツアーで、ビジネスクラスで行くという文句のツアーがありますが、消費者にとって、ビジネスクラスは、いくらぐらいが適正価格なのでしょうか。
    ビジネスクラスの通常価格が分からなければ、適正かどうかも分からないと思います。
    ビジネスクラスの通常料金がわかるような少数の人たちを対象にしたツアーとなる訳です。
    このように、売ろうとしている商品の適正価格が分かる人に対して販売しないと、とても効率の悪い結果になってしまうということを考慮しておきたいものですね。

     

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