湯治に関心のある世代は30代、40代。50代、60代は意外に無関心。
★30代の約7割が湯治体験してみたいと思っている
日経産業地域研究所では、2013年8月に、インターネットで全国の20歳~69歳の男女1000人に対して、温泉地に長期間(少なくとも1週間以上)滞留して特定の疾病の温泉療養を行う「湯治」についてのアンケートを実施しました。かなり興味深い数字がでてきました。
まず、「湯治」については、各年代とも「ほとんど行かない」「行ったことがない」の合計が95%以上でした。時間に余裕がありそうな60代も湯治によく行く人はほとんどゼロに近い数字で、「湯治」の文化は廃れてしまったような結果となりました。
時間ができたときに「湯治」をしたいか、と聞くと「ぜひしてみたい」「してもいい」の合計は、20代が63.0%、30代が68.5%、40代が66.5%と6割を超え、かなり「湯治」に対して積極的な意向が見えました。反面、50代は(47.5%)、60代も(46.5%)と半数に満たず、どちらかというと、消極的で無関心といった結果でした。日本の伝統的な文化ともいえる「湯治」に関心があるのは、むしろ少し若い30代、40代だったのでした。
1泊いくらなら湯治プランを利用するかを聞いたところ「5000円未満」が、30代で51.8%、40代で46.6%。「5000~8000円未満」が、30代で38.0%、40代で42.9%でした。
このことから、1泊4000~6000円ぐらいなら、30代〜40代には十分訴求できることがわかりました。
今回の結果は、「湯治」をプロモーションする上で、たいへん重要な結果が得られたと思います。
30代〜40代の「湯治」未体験者や、温泉療養が必要でない人たちへの訴求をして、集客することにより、湯治場を守ることができるのです。
それは、日本の伝統的な文化を守ることにもつながります。
(日経Bizアカデミー/2013年11月26日号)
まとめ(今日の販促ポイント!)
日本の代表的な湯治場 ①.酸ヶ湯(青森県) ②.玉川温泉、泥湯温泉、乳頭温泉郷(秋田県) ③.大沢温泉、鉛温泉、湯川温泉(岩手県) ④.鳴子温泉(宮城県) ⑤.肘折温泉(山形県) ⑥.草津温泉(群馬県) ⑦.三朝温泉(鳥取県) ⑧.鉄輪温泉、明礬温泉(大分県) ⑨.地獄温泉(熊本県) 温泉の効能には、現代の医学にも通じるものがあります。例えば新潟県の貝掛温泉の異名である「目の湯」のように、特にその部位の名を付けて、目に病気を持つ湯治客を集めました。実際に、ここの温泉には、市販の目薬にも使用されているものと同じ成分があることがわかっています。 このことからも、日本の「湯治」文化は、大切に守っていかなければならないものだと思います。 |