儲かる顧客をつくるマーケティング その3 〜顧客生涯価値(LTV)を分析する〜
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★新規顧客が、リピーター顧客と成長していく過程を分析することは、たいへん重要なことです。
1人の顧客と企業が取り引きを始めてから終わりまでの期間(顧客ライフサイクル)を通じて、その顧客が企業やブランドにもたらす損益を累計して算出したマーケティングの成果指標のことを「顧客生涯価値(LTV)」といいます。
一般的には「LTV(顧客生涯価値)=年間取引額 × 収益率 × 継続年数(滞在期間)」で計算されます。
効率的なマーケティングを実践するためには、新規顧客の獲得だけに力を入れるのではなく、既存顧客(リピーター、常連客、固定客等)との関係性を重視し、LTVを向上させることが重要と言われます。
新規顧客を獲得するためには、まずは顧客に製品・サービスを認知、理解してもらうことが必要です。その為には、ある程度の広告費や人的資源の投入が必要となります。一般的に、既存顧客を維持するコストよりも5倍ほどかかるとされています。
このように、まずは製品やサービスを広く認知させ、「市場シェア」を拡大するためには、新規顧客の獲得は必須です。
一方で、長期的に見て効率的に利益を上げていくためには、一人一人の顧客における、製品やサービスの「顧客シェア」の拡大、つまりLTVの向上も同時進行で進ませなければならないのです。
例えば、ある「商品」を日本におけるトップブランドにするためには、その「商品」における市場シェアを獲得するために新規顧客の獲得が重要となります。その一方で、効率的に売上を上げ利益を得ていくためには、ある顧客が生涯にその「商品」の購入に費やす総金額の何パーセントを取れるかを追求することも大切なのです。
顧客単価や顧客のリピート率だけでなく、「顧客生涯価値(LTV)」までの分析によって、更なる効率的なマーケティングが実現できるのではないでしょうか。
さらに、どのような新規顧客が、最優良LTVの顧客となりうるのかを突き止めることで、新規顧客を獲得する上での、施策にも通じると考えられます。
(日経Biz・マーケティング)

顧客との関係を生涯と考えてみる発想は重要なことです。新規顧客となった瞬間の誕生日から購入しなくなった時まで。 1年なのか、3年なのか、5年なのか。 誕生からどれくらいたつと、一番付き合い(売上)が大きいのか。どういうタイプの人が、長いつき合いになるのか。 このような観点から分析することは、効率的なマーケティングを実践する上で、たいへん重要なことだと思います。 |