「大人の」商品がヒットするわけ?ただ高級感だけアピールしてもダメ!
★「大人の」と名付けられた商品がなぜ売れるのでしょうか?
「大人の」と名付けられた商品が売れています。
明治の「大人のきのこの山」「大人のたけのこの里」が9月に発売して好調な売れ行きのようです。
人気のお菓子の大人版。子供が大きくなってお菓子を買わなくなった40〜50歳代の女性が主な対象としている点がヒットのヒケツでしょう。
最近は買う必要がなくなった普通のお菓子、その大人版についつい手が向いてしまうのは、自然な流れではないでしょうか。
バンダイが、2010年から売り出した「大人の超合金」シリーズは累計2万個以上を販売しています。
値段は5万円前後なので、10億の売上ということになります。
「アポロ11号」や「小惑星探査機はやぶさ」「南極観測船宗谷」など、実在する造形物を「超合金」の技術を使い、リアルに再現した塗装済み完成品モデルで、部屋に飾って鑑賞することを狙っています。
「超合金」という言葉も、1974年に大ヒットした「マジンガーZ」が「超合金」で作られていたことを知っている40代〜50代の男性には、なじみ深いことも、ヒットのヒケツとなったのでしょう。
また、これらの造形物には、男の冒険心をくすぐるロマンがあることも、ヒケツのひとつだと思います。
このほかにも、「シニア」よりもイメージがいいからという理由だけで、名付けているケースも多くあります。「おとなの自動車保険」、「大人の休日倶楽部」などです。
世代ターゲットありきで、名付けているだけなので、世代以外の「大人の」プラスアルファがありません。「懐かしさ」「プチリッチ感」などが無いのです。
「大人のキリンレモン」に至っては、ただブームに乗って名付けただけといっていいでしょう。
砂糖を使用していない甘さ控えめのどこが大人なのでしょうか。
私にとっての「キリンレモン」は、サイダーやラムネよりもちょっと高級な炭酸飲料で、気軽に飲める飲み物ではなかったです。
キリンというネーミングから、ビールを連想し、それこそ大人の炭酸飲料というイメージでした。
そんなイメージを持つ我々世代の「心をくすぐるような」何かを提示してもらいたかったですね。
(日経プラス1/2013年11月30日号「エコノ探偵団」)
まとめ(今日の販促ポイント!)
カルビーの「ポテリッチ 大人のチーズ味」も、ただブルーチーズを使うことで、大人にしかわからない味を連想させ、高級感を狙っているようですが、どうでしょうか。 30代の独身男性狙いだそうですが、リーチするのでしょうか。 30代の独身男性が、このポテトを食べている姿を連想しただけで、悲しい気持ちになってしまいます。 喜びや感動が伝わりません。 「大人の」と名付けるならば、プラスアルファの感動ストーリーを考えてからにしてもらいたいですね。 |