価格の心理学から、4月からの消費税増税後の販促にそなえる。その4
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★消費税増税後の消費の縮小への打開策をどうするのか。
東京ディズニーリゾートは、消費税増税に伴い、4月1日から東京ディズニーランドと東京ディズニーシーのチケット料金を値上げしました。
新料金は1日利用のチケット(1デーパスポート)の大人が200円上がり6400円。幼児・小学生は100円増の4200円、中学・高校生は200円増の5500円となります。
今回の値上げは、2011年から3年ぶりの値上げで、増税分の3%を転嫁し、現行通り100円単位の税込み価格に設定するもので、便乗値上げ的な要素なく、消費者的には納得のいく値上げだったと思います。
また今回の値引きセールもここ数年毎年この時期に実施されており、定番のセール販促となっています。
今年は、どうなるでしょうか。消費増税による景気への影響と、昨年30周年からの反動による影響の2つの要因から、今年のセールの販売状況は読めないのではないかと思います。
一方で、ここ10年以上つづくデフレ不況下において、着実に値上げを続けて来たのは、東京ディズニーリゾートであり、リーマンショックも、東日本大震災も、乗り切って来た勝ち組の中の勝ち組なわけですから、この難局をも乗り越えるのではないかとも思います。
難局を乗り越えるヒントは何でしょうか。私は「ブレないこと」に尽きると思います。
今回の期間限定のセールにしても、30周年の反動への価格的対応はしていません。
例年通りの値引率です。昨年は大人6200円を5500円に、中学・高校生5300円を4900円に、幼児・小学生4100円を3800円でした。
今年は値上げ分だけ昨年よりもアップしての販売となっています。(写真参照)
このように、東京ディズニーリゾートは、外的な要因に対して、振られるような販売はしないのです。
常に進化し続けています。新しいアトラクションが出来たり、リニューアルしたり。また、季節ごとにイベントなどが行われ、行くたびに新たな楽しみがあります。
ここに特化していることが強みだと思います。
「ブレない」ことは、なかなかできることではありませんが、少しは見習いたいものです。
(日経Biz/2014年2月18日号)

今年の4月以降、消費者物価は確実にアップします。物価のアップ分以上に収入がアップするのは、ほんのひとにぎりの人だけです。多くの消費者は、昨年よりも支出の方がアップするでしょう。 そんな消費が冷え込む中、東京ディズニーリゾートなどが、がんばり続けるということは、そのしわ寄せが、力のない企業に向けられるのは必定です。 4月以降は、勝ち組と負け組との差がますます広がることが予想されます。注意深く見ていきましょう。 |